非正規労働者活用助成金
ここでは、非正規労働者の方が対象となるキャリアアップ助成金についてお伝えします。
キャリアップ助成金とは、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)
下記のように転換を図ることで、助成金を受給することができます。
●支給額
①有期→正規:1人当たり60万円(45万円)
②有期→無期:1人当たり30万円(22.5万円)
③無期→正規:1人当たり30万円(22.5万円)
④有期→多様な正社員:1人当たり40万円(30万円)
⑤無期→多様な正社員:1人当たり10万円(7.5万円)
⑥多様な正社員→正規:1人当たり20万円(15万円)
〈①~⑥合わせて1年度1事業所当たり15人まで〉
※大企業の場合は、()内の金額となります
※派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合に助成額を加算
・①③1人当たり30万円(大企業も同額)④⑤15万円(大企業も同額)加算
※ ⺟⼦家庭の⺟等を転換等した場合に助成額を加算(転換等した⽇において⺟⼦家庭の⺟等である必要があります)
若者雇⽤促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合に助成額を加算(転換等した日に
おいて35歳未満の者である必要があります)
・ いずれも①1人当たり10万円、②〜⑥5万円(大企業も同額)加算
※ 勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合に助成額を加算
・④⑤1事業所当たり10万円(7.5万円)加算
※ 上記のほか、有期実習型訓練を修了した者を正規雇⽤労働者等として転換または直接雇⽤した場合、
人材育成コースに規定する額を受給できます。
●主な支給要件
▲対象労働者について
本助成金(コース)における「対象労働者」は、申請事業主が雇用する次の(1)または(2)に該当する労働者、あるいは申請事業主がその事業所で受け入れている(3)の派遣労働者です。
(1)有期契約労働者
有期契約労働者として申請事業主に雇用されていた通算雇用期間が6ヵ月以上である労働者
(2)無期雇用労働者
無期雇用労働者として申請事業主に雇用されていた通算雇用期間が6ヶ月以上である労働者
(3)派遣労働者
申請事業主の派遣期間が6ヵ月以上の派遣場所で就業している派遣労働者
キャリアアップ助成金(人材育成コース)
有期雇用労働者等にキャリアアップを目的として、一般職業訓練、有期実習型訓練、中長期的キャリア形成訓練、育児休業中訓練を行った場合に支給される助成金です。
●支給額
Off-JT / 1人当たり 賃金助成:1時間当たり800円(500円)
経費助成:上限50万円(30万円)※最大
OJT / 1人当たり 実施助成:1時間当たり800円(700円)
※()内は大企業の場合
※1年度1事業所あたり500万円を上限
※育児休業中訓練は経費助成のみ
●主な支給要件
対象となる訓練について
(1)一般職業訓練
①1コース当たり1年以内の実 施期間であること
②1コース当たり20時間以 上の訓練時間数であること
③通信制の職 業訓練(スクーリングがあるものを除く)でないこと
(2)有期実習型訓練とは・・・ O ff-JTとOJTを組み合わせて訓練基準(下記①~⑤)に適合する職業訓練
①企業でのOJTと教育訓練機関等で行われるO ff-JTを効果的に組合せ
②実施期間が3ヵ月以上6ヵ月以下であること
③総訓練時間が6ヵ月当たりの時間数に換算して425時間以 上であること
④総訓練時間に占めるOJTの割合が1割以上9割以下であること
⑤修了後に評価シートにより職業能力の評価を実施すること
(3)中長期的キャリア形成訓練とは・・・ ①厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練であること
(4)育児休業中訓練とは・・・ ① 通学制の訓練 ② 通信制の訓練(スクーリングがある訓練を含む)
キャリアアップ助成金(処遇改善コース)
有期契約労働者等に①賃金テーブル改定、②共通処遇推進制度、③短時間労働者の週所定労働時間を延長のいずれかの取組を実施した場合に支給される助成金です。
①賃金テーブル改定
すべてまたは一部の有期契約労働者等の基本給の賃金テーブル等を2%以上増額改定し、昇給したとき
●支給額
・すべての有期契約労働者等の賃金テーブル等を増額改定した場合
対象労働者が 1人~3人:10万円(7.5万円) 4人~6人:20万円(15万円)
7人~10人:30万円(20万円) 11人~100人:1人当たり3万円(2万円)
・一部の賃金テーブル等を増額改定した場合
対象労働者が 1人~3人:5万円(3.5万円) 4人~6人:10万円(7.5万円)
7人~10人:15万円(10万円) 11人~100人:1人当たり1.5万円(1万円)
※職務評価の手法の活用により処遇改善を実施した場合1事業所当たり20万円(15万円)を加算
<1年度1事業所100人まで>
●主な支給要件
対象となる労働者
(1)賃金テーブル等を増額改定した日の前日から起算して3ヵ月以上前から
支給対象事業主に雇用されている有期契約労働者等であること
(2)増額改定した賃金テーブル等を適用され、かつ、増額改定前の基本給に比べて
2%以上昇給している者であること
(3)賃金テーブル等を増額改定した日に、雇用保険被保険者であること
(4)賃金テーブル等の増額改定を行った事業所の事業主または取締役の3親等以内の親族以外のもの
であること
(5)支給申請日において離職していない者であること
②共通処遇推進制度
正規雇用労働者との共通の処遇制度(健康診断制度、賃金テーブル共通化)を導入・適用したとき
●支給額
(a)健康診断制度 ・有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合に助成されます。
1事業所当たり40万円(30万円)<1事業所当たり1回のみ>
(b)賃金テーブル共通化 ・有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金テーブル等を作成し、適用した場合に助成されます。
1事業所当たり60万円(45万円)<1事業所当たり1回のみ>
●主な支給要件
健康診断制度の導入
次の(1)~(4)のすべてを満たして対象労働者に対する法定外の健康診断制度を導入し、実施すること
(1)次の[1]~[4]のいずれかに該当する健 康 診断の実 施を、労働協約または就業規則に規定すること
[1]雇入時健 康診断 [2]定期健 康診断 [3]人間ドック [4]生活習慣病予防検 診
(2)(1)の健康診断の制度が、対象労働者の延べ4人以上に実施されること
(3)支給申請日において(2)の健康診断の制度が継続していること
(4)健康診断等の費用負担を次によってすること
[1]雇入時健 康診断および定期健康診断については、事業主が費用の全額を負担すること
[2]人間ドックおよび生活習慣病予防検 診については、事業主が費用の半額以上を負担すること
③短時間労働者の週所定労働時間を延長
労働者の週所定労働時間を、25時間未満から30時間以上に延長し、社会保険を適用したとき
●支給額
25時間未満から30時間以上に延長し、社会保険を適用した場合に助成されます。
1人当たり20万円(15万円) <1年度1事業所当たり15人まで>
●主な支給要件
対象となる労働者
(1)支給対象事業主に雇用される有期契約労働者等であること
(2)週所定労働時間を30時間以上に延長した日の前日から起算して6ヵ月以上の期間継続して、
週所定労働時間が25時間未満(週当たりの実労働時間が平均2 5時間未満の場合に限る)の
有期契約労働者等として雇用された者であること
(3)週所定労働時間を30時間以上に延長した日の前日から起算して過去6ヵ月間、
社会保険の適用を受けていなかった者であること
(4)支給申請日において離職していない者であること